足場関連法規

足場に関する労働安全衛生法の一部改正について

  • 改正の趣旨:足場からの墜落防止対策の強化

足場からの墜落・転落災害の防止については、平成21年6月に労働安全衛生規則(以下「安衛則」)が改正され、足場などにおける墜落防止処置などの強化が図られておりました。このたび、改正後の処置の効果検証が「足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会」で実施され、その検討の結果、必要な改正が行われることとなりました。平成27年7月1日から施行されております。

1. 足場の組み立てなどの作業に係る業務の特別教育の追加

<平成21年6月改正の安衛則>
足場の組み立てなどの作業に従事する労働者に対する特別教育の義務はなし。

<平成27年7月改正・施行の安衛則>
足場の組み立てなどの作業に係る業務(地上または堅固な床上での補助業務を除く)を特別教育の対象とする。

2. 足場の作業床に係る墜落防止措置の充実

<平成21年6月改正の安衛則>

  • 足場における高さ2m以上の作業床の要件
    1.作業床の幅は40cm以上、床材間の隙間は3cm以下。
    2.足場からの手摺などの墜落防止設備について、作業の性質上これらの設備を設けることが著しく困難な場合や、作業必要上臨時にこれらの設備を取り外す場合において一定の要件を満たしたときは、これらの設備を設けないことや取り外すことができる。

<平成27年7月改正・施行の安衛則>

  • 足場における高さ2m以上の作業床の要件
    1.作業床の幅は40cm以上、床材間の隙間は3cm以下、さらに床材と建地との隙間は12cm未満とする。
    2.改正前の2の一定の要件として当該箇所への関係者以外の立ち入り禁止を追加。
    3.作業の必要上臨時に墜落防止設備を取り外したときは、当該作業の終了後、直ちに取り外した設備を元の状態に戻さなければならないことを追加。
    4.2と3ついては架設通路及び作業構台についても同様の措置を追加する。

3. 足場の組み立てなどの作業に係る墜落防止措置の充実

<平成21年6月改正の安衛則>
つり足場、張り出し足場または高さ5m以上の構造の足場の組み立て、解体または変更の作業について、事業者は墜落防止措置などを講じなければならない。

※事業者が行わなければならない墜落防止措置など。
イ.組み立ての時期などを作業に従事する労働者に周知させること。
ロ.組み立てなどの作業を行う区域内の関係労働者以外の労働者の立ち入りを禁止すること。
ハ.悪天候のため、作業の実施について危険が予想されるときは、作業を禁止すること。
ニ.足場材の緊結などの作業にあたっては、幅20cm以上の足場板を設け、労働者に安全帯を使用させるなど、労働者の墜落による危険を防止するための処置を講ずること。
ホ.材料などを上げ、または下ろすときは、つり網などを労働者に使用させること。

<平成27年7月改正・施行の安衛則>
(1)対象を高さ2m以上の構造の足場まで拡大する。
(1)足場材の緊結などの作業を行うときは、次の措置を講ずることとする。
イ.幅40cm以上の作業床を設けること。
※ただし、作業床を設けることが困難なときを除く。
ロ.安全帯取り付け設備などの設置及び安全帯を使用させる措置を講ずること。
※ただし、これらの措置と同等以上の効果を有する措置を講じたときは除く。

4. 鋼管足場に係る規定の見直し

<平成21年6月改正の安衛則>
規定に適合する鋼管足場のうち、単管足場について、建地の最後部から測って31mを超える部分の建地は鋼管を2本組とすること。

<平成27年7月改正・施行の安衛則>
建地の下端に作用する設計荷重が最大使用荷重を超えないときは、鋼管を2本組とすることを要しない。
※設計荷重とは、足場の重量に相当する荷重に作業床の積載荷重を加えた荷重のこと。
※最大使用荷重とは、建地の破壊に至る荷重の2分の1の荷重のこと。

5. 注文者の点検義務の充実

<平成21年6月改正の安衛則>
特定事業の仕事を自ら行う注文者が、請負人の労働者に足場または作業構台を使用させる場合であって、強風などの悪天候、中震以上の地震の後においては、足場または作業構台における作業を開始する前に、当該足場の状態などについて点検し、危険の恐れがあるときは速やかに修理すること。

<平成27年7月改正・施行の安衛則>
足場または作業構台の組み立て、一部解体または変更の後においても、足場または作業構台における作業を開始する前に、当該足場の状態について点検し、危険の恐れがあるときは速やかに修理することとする。